国内第Ⅲ相試験APeX-J試験[国内データ]

HOME  > オラデオ®の臨床試験 >  国内第Ⅲ相試験APeX-J試験[国内データ]

Ohsawa I, et al. Allergy 2021, 76 (6): 1789-1799
社内資料(国内第Ⅲ相試験:301試験)(2021年1月承認、CTD 2.7.6.15)[承認時評価資料]
Honda D, et al. World Allergy Organ J. 2024, 17(3):100882. doi: 10.1016/j.waojou.2024. 100882

本試験には一部承認外の用法及び用量が含まれますが、用量設定を目的のひとつとした試験であり、かつPart 1は承認時評価資料であるため、副作用発現状況のデータについては掲載し、その他のデータについては承認の範囲内の用法及び用量の症例群に限定し、一部改変して掲載しています。

試験概要

目的

〈パート1〉
〈パート2〉
HAE患者を対象に、オラデオ®の血管性浮腫発作の発現抑制における有効性と安全性を評価する。
〈パート3〉
オラデオ®の長期安全性および忍容性を評価する。
オラデオ®の有効性およびQOLを評価する。(副次目的)

試験デザイン

第Ⅲ相、多施設共同
〈パート1〉
〈パート2〉
無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較
〈パート3〉
長期非盲検

対象

〈パート1〉
〈パート2〉
HAEⅠ型又はⅡ型患者19例
〈パート3〉
パート2を完遂した患者10例

方法

〈パート1〉
最長70日間のスクリーニング期間の後、患者をオラデオ®150mg群、オラデオ®110mg注)群、プラセボ群に1:1:1の割合で無作為化し、各治験薬を1日1回(QD)、24週間投与した。
〈パート2〉
パート1でのオラデオ®150mg群又はオラデオ®110mg注)群は同一用量の投与を継続し、プラセボ群の患者はオラデオ®150mg群又はオラデオ®110mg注)群に1:1の割合で再無作為化し、各治験薬をQD、28週間投与した。
〈パート3〉
最長52週間にわたり非盲検下で投与を継続し、オラデオ®110mg注)群の全患者をオラデオ®150mg群に移行した。これらの患者をパート1及びパート2の初回投与時に受けた治療に基づき、全オラデオ®150mgと全オラデオ®110mg注)~150mg群と定義した。

評価項目

〈パート1〉〈パート2〉
主要評価項目
24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度
副次評価項目
24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫症状が認められた日数及びその割合
有効な治療期間における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度
※血漿中ベロトラルスタット濃度が定常状態に達していると予想される投与8日目から、24週(パート1終了)までの期間
<参考情報>24週目の血管性浮腫のQOL(AE-QoL)総スコアのベースラインからの変化量
投与52週までの専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度の経時推移
有害事象の発現状況 など
〈パート3〉
主要評価項目
有害事象の発現状況
・治験薬投与中に発現した有害事象(TEAE)を発現した患者数及び割合
・治験薬投与中に発現した重篤な有害事象(TESAE)を発現した患者数及び割合
・グレード3又はグレード4のTEAEを呈した患者数及び割合
・グレード3又はグレード4の臨床検査値異常が認められた患者数及び割合
・薬疹と一致するTEAEを呈した患者数及び割合
・TEAEにより投与を中止した患者数及び割合
副次評価項目
血管性浮腫発作の回数及び発生頻度
反応の持続性(経時的な発作頻度の傾向)
血管性浮腫発作の治療のためのオンデマンド治療薬の使用
<参考情報>QOLスコアの持続性(AE-QoL及びTSQM質問票を用いて測定)

解析計画

有効性の解析はITT解析対象集団を対象とした。主要評価項目である24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度は負の二項回帰モデルを用いて算出した。また、24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫症状が認められた日数の割合は共分散分析(ANCOVA)、24週目のAE-QoL総スコアのベースラインからの変化量は反復測定による混合効果モデル(MMRM)、その他の評価項目は負の二項回帰モデルを用いて算出した。検定の多重性を調整するため主要評価項目及び3つの副次評価項目について順位付けした階層的な検定を行い、さらに各順位レベルでオラデオ®2用量群に対してHochbergのstep-up法を用いてそれぞれ検定を行った。階層的な検定の順位は、①24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度、②24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫症状が認められた日数及びその割合、③有効な治療期間(投与8日目から24週まで)における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度、④24週目のAE-QoL総スコアのベースラインからの変化量とした。②において、オラデオ®150mg群とプラセボ群の間に有意な差が認められなかったため。パート2及びパート3はプロトコルで仮説検定が事前に規定されていないため、推論統計は示さず有効性指標の基線値からの変化に対する p値は示さない。

患者背景

a ベースラインの発作発現頻度は調整*済み患者報告の発作発現頻度である。
b 過去の予防治療は相互排他的ではなかった。
c HAE治療、予防を目的としたアンドロゲン、トラネキサム酸の使用は本邦未承認。

注)本邦承認外規格。本剤の承認規格はオラデオ®150mg
【オラデオ®の本邦における用法及び用量】
通常、成人及び12歳以上の小児には、ベロトラルスタットとして150mg(1カプセル)を1日1回経口投与する。

臨床効果

24週間の投与期間における専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度
[APeX-J試験パート1 主要評価項目]

専門医判定による血管性浮腫発作の発現頻度は、オラデオ®150mg群で1.11回/月であり、プラセボ群の2.18回/月に対する減少率は、49.1%(95%CI:20.4, 67.5、p=0.003、負の二項回帰モデル※)と有意な減少が認められた。

※専門医判定による血管性浮腫発作発現数を従属変数、投与群を固定効果、層別変数(ベースライン1ヵ月あたりの発作発現頻度)を共変量、及び対数変換した 投与期間をオフセット変数として含めた。

パート2及びパート3に参加した患者における血管性浮腫発作発現頻度の平均値とオンデマンド治療薬の平均使用回数[APeX-J試験パート2、パート3 副次評価項目]

HAE発作発現頻度は、投与後1ヵ月から低下傾向が認められ、全150mg群の投与26ヵ月目における発作発現頻度の中央値は0回であった。また、投与26ヵ月目における1ヵ月あたりの平均オンデマンド治療薬の使用回数は0.0(0.0)回であった。

ベースラインの発作発現頻度は、試験開始前の56日間の導入期間中に発生した発作の回数に基づく。ベースラインの投与回数は、試験開始前の導入期間中の薬剤使用に基づいており、1ヵ月間の投与期間で調整されている。プラセボ後にオラデオ®を投与した患者については、最初の投与日に基づいて月数を調整した。

<参考情報>TSQMスコアの推移 [APeX-J試験パート3 副次評価項目]
  (26ヵ月間の投与を完了した全オラデオ®150㎎群のTSQMスコアの各ドメインの推移)

26ヵ月間の試験期間中、オラデオ®投与により、有効性、利便性ならびに全般的満足度スコアに改善傾向が認められた。

TSQMのベースライン値は、Day 1の治験薬投与前の値であり、患者が最後に受けた治療を反映している。

<参考情報>AE-QoLスコアの推移 [APeX-J試験パート3 副次評価項目]
  (26ヵ月間の投与を完了した全オラデオ®150㎎群のAE-QoLスコアの推移)

オラデオ®投与後、QOLの指標であるAE-QoLの各ドメインスコアで改善が認められ、AE-QoL総スコアの改善はMCIDを上回った*。

*MCID (Minimal Clinically Important Difference): 臨床的に意義のある最小差
総スコアの6ポイントの変化と定義した。
AE-QoLのベースライン値は、Day1の治験薬投与前の値を示す。

安全性

パート1及びパート2における有害事象の発現状況
 [APeX-Jパート1、パート2主要評価項目]

本試験における有害事象は、オラデオ®150mg群全体で3/9例(33.3%)、オラデオ®110mg注)群全体で2/8例(25.0%)、 プラセボ群で2/6例(33.3%)に認められた。投与中止に至った有害事象は、オラデオ®150mg群全体で肝酵素上昇が1例、 プラセボ群で蕁麻疹が1例に認められ、オラデオ®110mg注)群全体では認められなかった。 重篤な有害事象及び死亡例は各群とも認められなかった。各群の有害事象の内訳は、オラデオ®150mg群全体で上腹部痛、 胃炎、傾眠、発熱、肝酵素上昇各1例(11.1%)、オラデオ®110mg注)群全体で腹部不快感、下痢、悪心、頭痛各1例 (12.5%)、プラセボ群で腹部不快感、蕁麻疹各1例(16.7%)であった。

パート2及びパート3における有害事象の発現状況
 [APeX-Jパート3主要評価項目]

パート2及びパート3に参加した患者のオラデオ曝露期間の中央値(範囲)は554(77~650)日であった。パート2及びパート3の期間中、14例(82.4%)でTEAEを発現した。ほとんどのTEAEの重症度は軽度又は中等度であり、治験薬と関連のある重篤なTEAEは報告されなかった。
最も発現頻度の高いTEAEは、鼻咽頭炎、腹痛、膀胱炎、インフルエンザ、及び回転性めまいであった。

a 治験薬の中断とは治験薬を一時的に中止しその後再開することである。
b 専門医が特に関心のあるTEAEとして報告したもの。
注)本邦承認外規格。本剤の承認規格はオラデオ®150mg
【オラデオ®の本邦における用法及び用量】
通常、成人及び12歳以上の小児には、ベロトラルスタットとして150mg(1カプセル)を1日1回経口投与する。